今後、電力供給の主体となりつつある原子力発電。
原子力というと、この歌が思い出されます。「
そ〜ら〜をこ〜えて〜、ラララ、ほ〜し〜のか〜なた〜。。。」そうですあの「
鉄腕アトム」。主人公アトムの動力は
原子力エネルギーなんですよね。でも、原子力発電で利用される核分裂ではなく、核融合によるエネルギーらしいです。ちなみにアトムの誕生日は
2003年4月7日。さすがに鉄腕アトムの世界にはなっていませんでしたが、
手塚治虫氏の想像力には感服してしまいます。有名な作品としては「
ブラックジャック」や「
火の鳥」、「
リボンの騎士」といったものがありますが、現在でも十分楽しめる漫画やアニメです。もちろん「
鉄腕アトム」は最高ですし、あのアトムの世界が訪れるのもそう遠くないような気がしますよね。
話がそれてしまいましたが、原子力発電について紹介していきたいと思います。
原子力発電の歴史と特徴
電気の歴史で紹介している「
エンリコ・フェルミ」が、1942年に原子核分裂の連鎖反応の制御に成功してから3年後の1945年、日本は不幸にして原子爆弾により原子力エネルギーをまのあたりにしたわけですが、終戦後の1953年12月8日にアメリカのアイゼンハワー大統領が国連総会で行った講演「
Atoms for Peace(平和のための原子力)」をきっかけに、4年後の1957年に
国際原子力機関(IAEA)が設立され、発電用として原子力を利用することが注目されていきました。
日本の原子力発電は、1963年10月26日に茨城県東海村で動力試験炉を用いて発電に成功したのが最初で、この日は日本が
国際原子力機関(IAEA)への加盟が認められた日でもあり、「
原子力の日」とされています。
実用発電原子炉としては、日本原子力発電という会社が東海村で運転を開始したのが最初になります。2004年の時点では52基の原子力発電所が運転中で、5基が建設中になっています。
2003年の時点で、各国の総発電量に占める原子力発電の割合が最も高いのは
79.9%のリトアニアで、第2位は77.7%のフランス、
日本は第16位で、25.0%となっています。(IAEA ANNUAL REPORT 2003)
次に、
原子力発電の特徴をあげてみたいと思います。
・
供給安定性が高い
・
経済性がよい
・
発電所が短期間で建設できて建築コストが安い
・
CO2排出量が非常に低い
・
事故があった際、外部へ放射線や放射性物質が漏れる可能性がある
・
放射性廃棄物を長期間適切に管理して処分する必要がある
緑色であげているプラス面での特徴が原子力発電の魅力ですが、
赤いマイナス面での特徴をみると、1986年4月26日、旧ソ連ウクライナ共和国で起こった
チェルノブイリでの原発事故を思い出さざるをえません。この事故による被害は死者31名、急性放射線障害で入院した人203名、住民13万5,000人の避難、国境を越えた広範囲にわたる放射能汚染でした。その原因は、原子炉自体の構造的欠陥や安全対策の検討が不十分であったり原子炉運転規則に違反して運転を行うといった人的要因が原因とされています。
また、2004年8月9日に起こった
関西電力美浜原発3号機の蒸気噴出事故では、死者5人、負傷者6人を出し、国内の原子力施設の事故としては過去最悪となりました。事故そのものは放射能漏れが心配されるような「原発事故」ではありませんでしたが、この事故によって原子力発電所の一般的信頼度が低下したことは否めない事実です。
下記図は「
原子力施設におけるトラブルの国際評価尺度」を表したものですが、チェルノブイリでの原発事故は「深刻な事故」である
レベル7、関西電力美浜原発事故はもっとも軽微な「安全に関係しない事故」の
レベル0プラスです。
起きてしまったことはしょうがないので、それらの事故を教訓に「
安全な原子力」を目指して電力会社と国が一体となった取り組みをしていってもらいたいものですね。
原子力発電のしくみと種類
原子力発電では
核分裂のエネルギーを利用しますが、いまいちそのしくみがわからないですよね。なので、少し簡単に説明したいと思います。
すべての物質(人間や建物、水など)は
原子という小さな粒からできています。その種類は現在100あまりで、これからさらに発見される可能性もなきにしもあらずです。その100あまりのいろいろな
原子が固まってかたちをつくっているわけですが、あなたもご存じのとおり、ダイアモンドも炭も炭素という
原子が固まってできたものなのです。固まり方が違うだけでえらい違いですよね(笑)。

で、その
原子は、右の図のように中心にある
原子核とその周りを回っている
電子で構成されていて、
原子核はプラスの電荷を持つ
陽子と、電気的に中性な
中性子から成り立っています(もう頭がいたい!?かな?)。多くの
原子は安定した状態(がっちりタックルをくんだ状態!?)で存在しているのですが、「
ウラン」や「
プルトニウム」などは不安定な状態で存在しているので、その
原子核に外から
中性子が飛び込むと、
原子核がさらに小さな2つの
原子核に分裂し、大きな熱エネルギーを発生させます。この熱エネルギーを発電に利用しているのが原子力発電というわけです。凡人のモスペにとっては、こんなことを考えた人はどんな脳みそしてんだろうか?とひじょ〜に感心してしまいます。
ちなみに核分裂で熱エネルギーが起こるのは、
核分裂の際に2つの原子核といくつかの中性子ができ、分かれた原子核の重さが元の原子核より軽くなっていて、その分の重さがエネルギーに変わっているからだそうで、かの有名なアインシュタインの相対性理論で解説されている「
E=mc2」(E:エネルギー、m:質量、c:光の速度)という公式で明らかにされているそうです。(このあたりで頭痛がひどく。。。(笑))
この核分裂が1度だけ起こったくらいではたいしたエネルギーを得ることはできませんが、連続して起こること(
連鎖反応)で莫大なエネルギーを得ることができます。この連鎖反応を一定の割合で起こし続けている状態を
臨界といいますが、
車にブレーキが必要なように臨界にもブレーキが必要です。このブレーキ(制御)に成功した人が、最初に説明した「
エンリコ・フェルミ」という物理学者です。
放射線とはいったいどういうものなのかご存じですか?。
放射線とは目に見えず原子核が壊れるときなどに発生する高速の粒子やエネルギーをもった電磁波のことをさします。放射線は私たちの日常でも使われているものもあり、例をあげると、病院での「
X線検査」「
X線コンピュータ断層撮影検査」などがあります。
よく似た言葉に原子力発電などでよく用いられる「
放射能」がありますが、「
放射能」とは、
放射線を出す能力という意味で、
放射線とは全く意味が違ってきます。
下記図は
放射線の種類とその透過力を表したものですが、もっとも透過力のあるものは原子力発電で発生する中性子線で、水やコンクリート以外の障害は透過してしまいます。なので、原子力発電の原子炉は水の中で反応が起こるようになっているんですね。ちなみに詳しい原子炉の構造については、「
原子力のページ」や「
東京電力の原子炉とは」などで見ることができます。
つづいて、
原子力発電発電の種類をみてみましょう!
沸騰水型原子力発電所(BWR)
原子炉圧力容器の中では、ウラン燃料から発生する熱エネルギーによって冷却水が加熱され、蒸気を発生させます。この原子炉圧力容器内で発生した蒸気によって直接タービンを回転させて発電する方法です。
加圧水型原子力発電所(PWR)
原子炉圧力容器(燃料が入っている容器)の中の水は沸騰しないように加圧されていますが、ウラン燃料から発生する熱エネルギーで300度以上の高温水になっています。この高温水を蒸気発生器の伝熱管を通すことで、伝熱管の周りの水が加熱され蒸気となり、この蒸気でタービンを回転させて発電する方法です。
上記以外にも、
カナダ型重水炉原子力発電所(CANDU)や
黒鉛減速・ヘリウムガス冷却型原子力発電所(HTGR)などがありますが、現在世界及び日本で稼働している原子力発電所の多くは上記で紹介しているの2つのタイプが主流となっています。BWRとPWRの詳しい情報は「
原子力のページ」や
超徹底!電気節約術の特別編で紹介している各電力会社サイトでも詳しく解説されていますので、興味のある方は調べてみてはどうでしょうか?
原子力発電では廃棄物としてでる放射性汚染物質の処理や安全対策など問題点がありますが、今後原子力発電の担うべき役割が大きくなっていくと思います。なので、できる限りの
安全対策と一貫した管理体制での開発を進めていったもらいたいと思っています。個人的にはクリーンなエネルギーである
風力発電や
水力発電、
地熱発電が発電の中心になってもらいたいと思っていますが、原子力発電の技術開発がさらに進み、画期的な廃棄物の処理方法が発見されたり安全性が高まることで、原子力発電による電力の供給は現状より大きなものになっていくのではないでしょうか?
吉野家の牛丼ではないですが、一つのエネルギーに偏ってしまうことはそれが供給できなくなったときに混乱をまねく事態にもなりかねませんので、国と電力会社にはバランスのとれた電力供給体制を築いてもらいたいですね。もしかしたら今後、自家発電が設置されている建て売り住宅がでてくるかもしれませんね(笑)